アトピー性皮膚炎の基本治療
◎薬での治療・・・塗り薬、飲み薬、注射、紫外線などによる治療
◎スキンケア・・・身体の洗い方や保湿
◎悪化させる原因への対策・・・皮膚への刺激、吸入アレルゲン、細菌・真菌などの原因除去とその対策
最終目標が、あまり薬を使用することなく日常生活を送れるようになることです。
アトピー性皮膚炎の皮膚はバリア機能が低下しているため※ハウスダスト、食物などのアレルゲンが侵入しやすくなります。侵入したアレルゲンによって皮膚が過剰反応を起こし、かゆみや湿疹などの炎症を引き起こします。
※ハウスダストとは目にみえない1mm以下のホコリのこと。そのホコリの中にはダニやその死骸、フン、カビ、細菌や花粉なども含まれています。
私たちに何か出来ないかと考え、三重大学との共同研究により「アトピー性皮膚炎を悪化させる原因」の1つ、ハウスダストを減らす方法としてダスキンモップで、毎朝ご自宅の掃除をしていただきアトピー性皮膚炎への効果を検証しました。
その結果がこちら
本研究から得られた成果は、成人の軽症~中等症のアトピー性皮膚炎患者に於いて、ダスキンのフロアモップの使用は電気掃除機に比較して、12週目に於いて前腕内側の浮腫/丘疹および血清TARC値に関して有意差を伴う改善が確認された事である。軽症~中等症のアトピー性皮膚炎患者において、ダスキンのフロアモップの使用により、2月から5月では、通常の清掃方法よりも臨床症状の改善の効果を期待できる可能性がある。しかし、高温多湿となる夏季での優位性に関しては、別途のさらなる研究が必要である。本研究は、冬から高温多湿の夏に向かう時期に研究を実施したため、夏から低温と乾燥を伴う冬季に向かう時期の研究では、また異なる結果が得られる可能性があることが本研究の限界である。それらの評価を組み込んだ研究を今後行う事により、四季を通した評価が可能となると思われる。
※「軽症から中等症の成人アトピー性皮膚炎を対象とした乾式化学モップの有効性を検討する無作為化非盲検並行群間比較研究 応用薬理108巻1/2号43-49(2025年)」より引用(この論文は㈱マツザカと三重大学大学院医学系研究科皮膚科が投稿しました)
ハウスダストを効率よく減らす「健康おそうじ」を紹介します!!
ハウスダストは1mの高さから落ちるのに約9時間かかり、夜寝ている間に床や家具の上にゆっくりと積もっていきます。その積もったハウスダストを朝起きてすぐ、舞い上げないようにダスキンモップでそっと取り除きます。
※掃除機を先にかけるとハウスダストが舞い上がってしまいます。
ダスキンモップの特徴
ダスキンモップは、なでるだけで独自の吸着剤とモップパイルが目に見えないホコリもしっかりキャッチします。
健康おそうじ紙芝居
私たちの思い
アトピー性皮膚炎とは、痒みを伴い慢性的に経過する皮膚炎(湿疹)ですが、その根本には皮膚の生理学的異常(皮膚の乾燥とバリアー機能異常)があり、そこへ様々な刺激やアレルギー反応が加わって生じると考えられています。慢性的ではありますが、適切な治療を受ければ、いずれ治ったと同様の状態になることが期待されています。
アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2024(日本皮膚科学会)では、アトピー性皮膚炎の治療方法は、その病態に基づいて①薬物療法②皮膚の生理学的異常に対する外用療法・スキンケア③悪化因子の検索と対策の3つを基本とされています。
ダニや花粉、ペットの毛などの環境アレルゲンは皮膚を刺激し、アトピー性皮膚炎を悪化させる可能性があります。臨床研究において症状の改善の効果が期待されることにより、薬を使用することなく日常を送れることにつながると考えます。
今後も皆様に健康的な環境を提供できるよう邁進してまいります。
なお、本臨床研究の詳細は「応用薬理108巻1/2号43-49(2025年)」に掲載しました。